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バンクーバーの居心地満点の人気カフェでウェイトレス(板橋志摩さん:2003年9月) |
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| カナダ|バンクーバー |
2006.1.16 |
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滞在期間:0日間 主な目的:ワーキングホリデー 利用した留学エージェント:株式会社 ラストリゾート |
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居心地満点のカフェ「BIG DOG DELI」 |
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北米のアンティークっぽい、いい雰囲気の犬の看板には、『BIG DOG DELI』と書いてある。扉をあけると、「Hi, there!!」と、とびきり明るく元気な声がお店いっぱいに響いた。今日は土曜日。志摩さんは一人で朝からお店をきりまわしている。重いスープの鍋を持ち上げたり、パティオの椅子やテーブルを運んだりと、なかなか体力のいる仕事のよう。フットワークの軽い志摩さんは、カウンターの中でくるくる動き、満面の笑顔で、お客さんにちょっとした会話を投げかける。そんな彼女につられて、お客さんもついつい笑顔に。この店に常連が多いというのもうなずける。しかし、ここまでくるまでに、それなりの苦労もあったようだ。
「地元狙いで、1ヶ月以上かかってやっと仕事が決まって、最初の1週間は順調だったんですよ。でも、『あの店に新人の日本人の女の子が働いている』みたいな情報がまわっているらしくて、立て続けにイヤな目にあってしまったんです」
ある日、普通の感じの若い男性がきて、「昨日、君だったよね、僕、20ドル渡して、おつり10ドル足りなかったんだけど」と言われ、思わず渡してしまう。翌日、また同じ男性がやってきて、今度は店の同僚に「ここに日本人の女の子が働いているよね。彼女、昨日おつりくれなかったんだけど」という。一連の事件の結果、これからはすぐに現金を渡さず、住所だけ控えようということに。しかし、何人かの男性が同様の手口で何度も現れたそうだ。
「6ドル足りなかったって言われて、『レジを閉めないと払えないから』って言ったら、『覚えてないのか!』って。さらに『もう電車が出てしまう。今行かないと間に合わない』なんていうんです。挙句に、『じゃぁ、君の財布からでいいから返してくれ』とまで言われました」。これ以外にも、コインのスティックを持ってきて、最初と最後に10セントが入っていたので、10セントのスティックだと思って受け取ったら、後で割ってみたら中身は全部1セントとだったり、またあるときは、「窓拭きの集金に来ました、40ドルです」といわれて支払ったら、実は窓拭きなんて雇っていなかったり、ティーバックに穴をあけられたり。「最初の頃、お客さんを信用しすぎていたんですよね」と志摩さん。それでも、お客さんに接する態度は、相変わらず。お客さんの多くは、皆、やさしく気さくで、名前まで覚えてくれる。しかし、そういう人たちばかりじゃないということを志摩さんは身をもって学んだ。そんなときの店長や同僚たちの反応はどうだったのだろう。
「絶対、怒らないんですよ。志摩さえ無事ならいいのよって言ってくれるんです。もう、本当に泣けてくるんですけどね。モノを落としても、割れた?じゃなくて、ケガしなかった?って聞いてくる。周りは皆、本当にやさしくて、幸せです。詐欺のことも、一応、こういうことがあったっていう事実確認をした後で、今度はお金をすぐ渡さないようにネ、とだけ言われました」 |
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人に出会える人生を楽しむ |
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まわりの人間関係に恵まれ、お客さんとも友達のように付き合い、暇な時間は仲のいい常連と一緒にお茶している。1日に数回ここを訪れる常連客の1人のトッドさんは近所にジュエリー会社のオフィスを持っている。現在、日本語を掘り込んだヘアーオーナメントを製作中。和泉式部言葉を掘り込んだサンプルは、志摩さんも日本語の部分では一役買っている。いずれシルバーで商品化するという。
満面の笑顔で元気を振りまく志摩さんがここにいると思うと、つい足が向いてしまうのも分かる気がする。赤ちゃん連れの若い父親がやってくると、カウンターから出て、「Hi!Sweetie!」と赤ちゃんにも声をかける。その自然な英語はどうやって身につけたのだろう。
「最初からこういうキャラクターなので、自分では、いつもこうだと思っていました。でも、そういえば最近、お客さんから『だいぶ変わったね』なんていわれました。やっぱり最初は緊張していたんでしょうね。『最初は固かったよね』って・やっぱり慣れと店長のレイチェル、それに同僚のクリスティーの影響が大きいと思いますね」
日本で6年間、老舗のデパートで日本風の接客をしてきたが、そのままのノリで固い接客になっていたという。今は、こちらのこの店風がすっかり身について、お店がすいていて、席があいていたら、隣に座ってちょっとしゃべったり、そういうのを見て、「ああ、そういうふうにやればいいんだ」と思った。お客さんもそのほうが気楽で楽しそうだ。日本なら、お客さんが来たときに、席から「はーい!」なんてちょっと失礼な感じもする。でも郷に入れば郷に従えで、こういうのも「あり」と納得して楽しんでいる。日本とカナダの接客を体験してみて、自分としてはどっちが合っていると思うかと訪ねたところ、「断然こっちです。お客さんと店員以上のなにかを感じます。サービスして『ありがとう』って返ってくるのが最高。お客さん、最高」
客層はほとんど100%カナダ人。もちろん英語しか使わない。暇な時間は苦手な英文法を勉強したりして、英語力強化への努力も怠らない。自然な英語を話しているように見えるが、自分の英語力については、厳しい評価を下している。
「落ち込みますよ、やっぱり。カナダ人の友達と仲良くなればなるほど、会話の内容もプライベートなものになって、より深い話になりますよね。あいさつしたり、メニューを聞いたりのやりとりはまったく問題ないんですけど、時々、はーって落ち込みます。めげていても仕方ないので、分からない言葉はどんどん聞くようにしています。文法は本当に苦手でぐちゃぐちゃなんですけど」
英文法の勉強以外に、1日新聞記事を最低1つは読むことを自分に課している。家でやろうとすると、どうしてもできないので、暇なときに店で新聞を読んで分からないことは同僚に聞いたりする。幸いなことに、お客さん用の新聞や雑誌が十分な数置いてある。仕事場と呼ぶには、かなり自由な雰囲気だ。仕事は早朝6時からと結構きつく、忙しい時間帯は息をつく間もないくらいの連携プレーで乗り越えるのだが、その分、ゆっくりする時間もとれて、差し引きゼロかもしれない。 |
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将来について |
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「自分のゴールはまだまだ探し中。いいトシなんだから、いい加減にしなさいって言われるんですけど、でも、いろいろな人に会って、楽しんで、そしてそんな時間の中から、自分のやりたいことに出会えればいいなって思っています。以前は何かを探さなきゃって必死になっていたこともあるんですけど、楽しく生きていればきっとなにか見つかるって今は思っています。今の自分、これだけ楽しい人生が送れているだけで、十分だって最近思いますね」
週末はワインとチーズでパーティをしたり、友達とバンクーバー郊外まで遠出をしたり、忙しい仕事の合間にカナダ生活を大いに満喫中だ。 |
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